週が明けても、公取委調査の件を報じるメディアはありませんが、それがかえって事の重大さを物語っているような気がしないでもない。
民放は取り上げなくても、NHKが報道したことの意味は大きいですね。
すでに一定の抑止力は働いているだろうし、局員に対して「芸能事務所から過剰な接待を受けないように」とか「偏向報道には気をつけて」と一々指示を出さなくても、もう十分に浸透しているんじゃないか。
きょうは、前川さん、籠池さんの参考人招致と安倍内閣の支持率低下の話題一色で、もしこの件がなくても、テレビの情報番組は好んで芸能人ネタを扱わなかったような気がする。
少なくとも独立・移籍する(した)芸能人の話題は当分避けるんじゃないかな。
どんなふうに調査が進んでいるかわからないから、手も足も出ない。
船越夫妻の件にしても、ホリプロに気兼ねして、松居一代の動画やSNSの内容にはテレビで触れないのかなと思っていたんですが、名誉棄損に当たるような部分はカットしたものの、特にそんなことはなかったですね。
ホリプロに対してはそこまで萎縮していないってことか。
これがジャニーズだったら、頼まれなくても完全スルーでしょう。
ホリプロはかつて上場していたこともあるし、そこはアミューズ同様、コンプライアンスの遵守には気をつけているのかもしれない。
裏の裏までは知りませんが。
ふと思ったんですが、安倍内閣を支持する理由の一つに「ほかに適当な人がいないから」というのがあって、私の周りでも「だってほかにいないでしょう?」とみんな口をそろえて言っていたんですよね、ついこの前まで。
私も何度か口にしたことがあるし、世論調査の項目にもある。
でも、これって誰が最初に言い出したんだろう?と思って。
だって、以前、安倍さんが体調不良を理由に辞任したときは、「あんな無様な形で辞めたのに、何でまた堂々とテレビに出てるんだよ?」とか散々言われていましたよ、随分経ってからも。
だから、安倍さんにしてみたら、その間ずっと自分を見捨てず支えてくれた人についつい温情をかけてしまうわけでしょう?
2回目の総裁選のときも大勝ではなく、石破さんと競り合って僅差で勝ったんですよね。
地方では石破さんのほうが強かったぐらいで。
なのに、「ほかに適当な人がいない」ってみんなが異口同音に唱えるの。
なんかおかしくない?
そんなの実際にやらせてみないとわからないのに。
ほかに人材はいるでしょう。
おそらくテレビの情報番組とかでコメンテーターが繰り返し繰り返し言っていたことが知らない間に私たちの脳に刷り込まれていたんじゃないかと思うんです。
そうやって徐々に「一強」体制ができ上がっていったんじゃないかって。
そこで、SMAP3人の退所が発表されたときに話を戻すと、あのとき同時に報道されたのが中居くん残留の理由でした。
それも本人は何も語っていないんですけどね。
真っ先に報道されたのは、「独立となると、数多く抱えているレギュラー番組を持って出られないので、スタッフや共演者のことを考えてジャニーズに残ることに決めた」という理由。
そのときは、そうだな、中居くんらしいなと納得したんですが、これも裏を返せば、「独立したらレギュラー番組は持って出られない」という刷り込みですよね。
「退所の3人はそれをわかった上で独立するんだから、彼らの番組は終わって当然」というシナリオがすっかりでき上がっている。
怖いなぁ。
芸能界の掟かルールか知らないけど、これが独禁法違反に当たるなら大問題。
相手が御用メディアを使って今後いかなる手段に出ようとも、決して刷り込まれないよう、決して洗脳されないよう、気をつけなくちゃ。