目からウロコ

ブログ名を変えました。(旧SMAPのいる日常)

戒厳令の夜

ことしの4月で尾崎豊が亡くなってちょうど30年。

おそらくこの日が近づくと各テレビ局が何らかの特番を組むと思うんですが、果たしてどんなメッセージを送るのか。それとも大々的に取り上げないのか。

彼が腹の底から絞るような声で「この支配からの卒業!」と歌っていたころ、私はすでに順調な社会人生活を送っていたので、彼の歌に影響を受けたことはないのですが、教育現場が校内暴力で荒れていた時期だっただけに、ひとつ下の世代には絶大な支持を得ていました。ただ、あまり表に出さず個々の内に秘めて。

今さらながら尾崎豊が気になり始めたころ、NHKEテレで「100分de名著」の再放送があって、何となく見てたんですけど、いろんな意味で濃い内容でしたわ。

 

 

サラマーゴの「白の闇」は、パンデミック下の無秩序な強制収容所の様子を眼科医の妻の目線で描いたもので、この日のテーマにドンピシャリですが、今なぜ大杉栄なのか?それがすごく気になって。

1923年9月1日11時58分、関東大震災発生。

戒厳令下の同月16日、大杉栄と内縁の妻の伊藤野枝と6歳の甥が憲兵に連行され殺害された、俗にいう甘粕事件ですが、軍は関与を否定。甘粕正彦が個人で犯行に及んだということで処理されたのですが、6歳の甥がアメリカ国籍を持っていなければ明るみに出ることもなく闇に葬られた事件だったかもしれない。

すさまじいリンチの末、3人の遺体は菰包にくるまれ古井戸に捨てられる。

伊藤野枝は産後3ヶ月だった。福岡県糸島郡で生まれ、享年28歳。

 

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なんと、甘粕正彦氏は高橋源一郎さんのご親族で、当時は親戚じゅうでヒーロー扱いだったと本人が番組中に告白。

その甘粕正彦氏も満州で自害。軍に利用されたなど諸説あって謎の多い事件であったことは確か。

アナキストで知られる大杉栄ですが、自身は社会主義無政府主義も民主主義も否定。彼が求めていた精神の解放・自由とパンデミックのかかわりについて番組で取り上げたのはこれ。→ 大杉栄 奴隷根性論

支配者と奴隷ね。

今ここでそのことについて語るつもりはないのですが、なんかね、震災のための戒厳令だったのか、戒厳令のための震災だったのか、改憲に向かって舵を切った今だからこそ、NHKは何のメッセージを送っているんだろう?と思って取り上げました。

3月には伊藤野枝のドラマを放送予定だそうです。

主演はアミューズ吉高由里子。(できれば尾野真千子がよかったな)

吾郎ちゃんは前夫の役。

 

www.nhk.or.jp

 

大杉栄は軍人の子として厳格な家庭で育てられ、でも、軍人にならなかった。

尾崎豊は陸上自衛官の子として生まれ、でも、自衛隊に入らなかった。

勉強ができたのに従順な優等生とはならず反発を繰り返す。

支配からの卒業。

自由と愛。

もしかして尾崎豊大杉栄をイメージしてプロデュースされたのではなかろうか。

 

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護国寺での追悼式で雨が激しくなる中、だれかが歌い始め、やがて4万人の大合唱となった「卒業」

 

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