自分のこと以外であちこちに頭を下げまくるという点では、子育ても老親の世話も似たようなものかもしれない。
子どもを学校にあずけるのだって、親を病院や施設にあずけるのだって、表現の仕方は悪いけど、どうしても人質にとられているような感覚がぬぐえない。
例えば、えこひいきの強い教師や態度の横柄な医師やヤル気のなさそうな看護師に文句の一つも言ってやりたいと思っても、陰でこっそり嫌がらせをされたら困るので、腰が引けてしまうのは当然のこと。
きのうもかかりつけ医の言い草にカチンと来て――厄介な患者に振り回されてご機嫌斜めだったのか、八つ当たりされたんで、思いっきり猫パンチをかましてやりたかったけど、関節注射を控えていたため、容赦なくブスッと注射されたらおばあちゃんが可哀想だと思い、ぐっとこらえた。
この先生には山ほど不満があるんだけど、おばあちゃんが病院を変えたくないというので、私はしぶしぶ通院に付き添っているのです。
一日も早くこの先生とお別れしたいんだけどなぁ、残念ながら、それはおばあちゃんが死ぬまでおあずけ。
でも、最近、介護保険を利用するようになって、ケアマネさんからそれとなく話を聞くと、このクリニック、介護の現場ではすこぶる評判が悪いらしい。
やっぱりね!
私の思い違いではなかったのだ。
で、きのう、その先生からコロナワクチンの説明がありまして、基本的には打ったほうがいいと。
リスクも説明してたけど、「打ったほうがいい」なんて言って大丈夫かね、この先生。
あちらもこちらも責任を回避しようとすでに逃げ腰なのに。
でも、恐る恐るという感じでね、インフルエンザのワクチンを勧めるときのような押しの強さはなかった。
半信半疑なんでしょう、医療サイドも。
それにしても、自分たちは接種してないのに、よく患者に勧められるよなと思う。