最近は何かと忙しくて、テレビをつけるのは寝床に入ってから。
日付が変わると、とんでもなくお下劣な番組に出くわすことがあるんですが、どの層にも合わせた番組づくりをしなくちゃいけないから、テレビ局もご苦労なことです。
でも、ゴールデンタイムには見られないような質の良い番組、ほとんどが再放送ですが、そういうのにたまたま遭遇することがあって、寝るのを忘れて見入ってしまうことがあります。
たとえば、フジテレビのFNNドキュメンタリー大賞。
そうです、あのフジです。
暗殺された石井紘基議員がテーマの「日本病の正体」はYouTubeで3回も見たけれど、テレビで放送されたのは全然知らなかった。
そもそも大賞候補の各ドキュメントを放送するのが深夜1時から2時ごろで、再放送が明け方の4時ごろだったりするから、ほとんど人の目に触れないのです。
日の目を見るのは、ずいぶん経ってからYouTubeということになる。
先日も日の出前に猫に起こされて、テレビをつけたら、こんな番組をやってました。
コロナ渦のずいぶん前から取材をしていたようで、持病があって働くことができない母親と二人暮らしの男の子が周囲の支援を得てやっと高校に入学したものの、経済的な事情から退学して、ラーメン屋でアルバイトを始める。
ラーメンづくりを学んで、18歳で自分の店を持ち、ぼちぼちと客がついたときにコロナ渦に巻き込まれて、やむなく休業、そして閉店、再び就職先を探すも体調を崩してうまくいかずという流れ。
こういうところにも休業要請のしわ寄せが来ているということを今さらながら実感した次第です。
また、NHKも平日の午前中にこんな番組の再放送をしていました。
6月にたまたま病院の待合室で見たんですが、本放送は1月の23時ごろだったらしい。
取材を受けた初老の男性の「かつて秋葉原は日本の技術発祥の地だったのに……」という呟きと、客を呼び込むメイドカフェの少女の映像が重なる。
日本技術発祥の地がいつの間にかアニメ&ヲタク文化の街と化した秋葉原。
メイドカフェって、「ロリータファッション」と「カフェの女給」を融合させたようににしか見えないんだけど、こういうのが日本人の発想じゃないことぐらい私にでもすぐわかる。
日本の「かわいい」文化もしょせんは外国製。
そういう嘆きが伝わってきて、なんというか、良い意味でNHKらしくなかった。
どの局にもまともな番組を作りたいと願うスタッフはいるんだよね、きっと。
幻想であっても、そう信じたい。