目からウロコ

ブログ名を変えました。(旧SMAPのいる日常)

糟糠(そうこう)の妻を捨てる男性の心理

ベッキー騒動以降、男性が不倫に走り、妻を裏切ることを「ゲスる」と言うそうですが、この新たに登場した日本語に、『失楽園』の著者、渡辺淳一さんは、今、あの世で何を思っていることやら。

 

ただ、世に認められた男性が、不遇の時代を支えてくれた糟糠(そうこう)の妻や恋人を捨てて、新しい女性に走るというパターンは昔から繰り返されてきたことで、決して珍しいことではありません。

女性から見れば、なんと薄情で恩知らずな男たちだろうと思いますが、脳や心理学の観点から見ると、それなりの根拠があり、尽くしたからといって必ず報われるわけではないという根拠を4点挙げたいと思います。

  

1) 飽きる

恋愛中、脳内に満ちあふれていたアドレナリンドーパミンといった化学物質の寿命は2年から長くて4年。大恋愛ほど冷めたときのギャップは大きいのです。若いときは刺激を求めるアドレナリン型の恋愛を、年をとるほど穏やかで疲れないセロトニン型の恋愛を求めると言われますが、若くて感性豊かなミュージシャンにセロトニン型の安定した関係を期待するのは無理な話かもしれません。

 

 2) 頭が上がらない

冴えないころの自分を知っている相手には何となく頭が上がらないものです。自分の子ども時代を知っている人に会うと気恥ずかしい気持ちになる、あの感情に似ているかもしれません。まして金銭的に支えてもらっていたとしたらなおさら。妻の顔を見るたびに昔の情けない自分と向き合わざるを得ない。一方、成功してから出会った女性は、今の自分のステータスに合った相手であり、卑屈にならないで済むというわけです。

 

3) 返報性の原理

人から好意を受けると、相手に何らかの形で返さなければならないという感情が働きます。これを返報性の原理といいますが、最初のうちはありがたいと思っても、その好意が身に余るものになると、負担に感じ始め、次第に恋愛感情が冷めていく。最悪の場合は、返せる当てがないから、今のうちに逃げちゃおう~ということにもなりかねません。なので、あふれんばかりの愛情とお金をかけた子どもほど親から離れていく可能性も捨て切れないわけです。

  

4) 認知的不協和

自分の中にある矛盾を正当化させるため、行動や言動、感情まで変えてしまおうとする心理のこと。例えば、好きでもない相手から頼みごとをされて、しぶしぶ引き受けたとしましょう。すると、人間は、好きじゃない相手の頼みごとに付き合っている自分の矛盾した行動を正当化するため、「あれっ、もしかして、俺、こいつのことが好きなのかな?」という感情を持つようになります。なので、好きな相手に気に入ってもらうなら、頼みごとを聞いてあげるより、頼みごとをしたほうが効果があると言えるでしょう。尽くすなんて無意味。

 

 

以上の点から、自分を犠牲にして尽くしたからといって報われる保証はなく、仮に結婚前から金銭的な援助をしていたら、裏切られた時の憎しみは計り知れない。

惚れた相手にはできる限りのことをしてあげたいと思うのが人情ですが、精神的に励ますとか、一緒に暮らしているなら、おいしい料理を作ってあげるとか、その程度の支えでいいような気がします。

パートナーの夢を応援するのは素晴らしいことですが、それがイコール自分の夢になってしまうと、失ったときのリスクが大きいので、互いに依存し過ぎないことが大切ではないでしょうか。