行きつけの店で小耳に挟んだ話。
何年か前に解散した某バンド(そこそこ有名で、ヒットした曲は大抵の人が知っている)のメンバーだった人のお父さんが常連さんで、その方が言うには、例えば学生時代の同級生とか、先に人間関係があって、たまたま音楽という共通の趣味があった者同士が集まったグループはわりと長続きするけど、ギターやドラムのうまい奴を寄せ集めたようなグループは、それぞれ強い自負があって、なかなかうまくいかないんですって。
なんかわかるような気がするなぁ。
その方の息子さんは、ジャニーズの某グループの曲も手がけているんだとか。
SMAPに限らず、ジャニーズは後者のほうになるのかな。
子どものころから知っているとはいえ、ジャニーさんが選抜してグループを組み、そこから人間関係を築いていくわけだから。
SMAPもよくもまあ28年も続いたなというところでしょうか。
若い人たちにとっては、友だちがまだ絶対的な存在で、SMAPがあんな形で崩壊してしまったことが信じられないと思いますが、私らぐらいになると、長い時間をかけて築いた人間関係が一瞬にして崩れていくのを何度も経験しているので、それなりには理解できるんです。
昔の同級生でも、大人になると立ち位置が変わってくるでしょう。
目立たなくて、いつも使いっぱしりをさせられていたような子が見違えるほど出世していることもあるし、クラスの人気者でスター的な存在だった子が見るも無残におちぶれていることだってある。
だからといって、関係性は変わらないんですよね。
というか、変えさせてくれない。
どんなに偉くなっても、同窓会ではやっぱり使いっぱしりの〇〇くんです。
懐かしい友だちに会うと、「おまえ、ちっとも変わらないなぁ」ってお互いに声をかけ合いますが、あれは「変わらないでいてくれてありがとう」のほかに、「変わったら許さんぞ」という意味も含まれていると思うんですね。
だから、SMAPも木村くんが圧倒的な人気者だったときから、時を経て、5人それぞれの立ち位置が変わっても、関係性は変わらなかったんじゃないか。
古くからの友情を長続きさせるコツは、昔の関係にこだわらず、できるだけ今の立ち位置に合わせて付き合うこと、友情も放置したままだと錆びるので、時々連絡を取ってメンテナンスすること、冠婚葬祭を怠らないこと、つまり親しき仲にも礼儀あり。
これを守らなかったら、何十年つき合っていようが、壊れるときは一瞬です。
さて、「嘘の戦争」も「A LIFE」も終わり、浩一はタイへ、沖田先生はシアトルに帰っていきました。
「A LIFE」が始まる前、おそらく視聴率は「嘘の戦争」より上で、松潤の「99.9」より下だろうと予測したら、どんぴしゃり。
予定調和で先の結果が見えるドラマでしたが、それなりに高視聴率をキープできたのは、キャストの魅力もあるし、何よりも内容がわかりやすかったからだと思います。
橋田寿賀子ドラマの長ゼリフは有名ですが、忙しい主婦が家事をしながらでも片手間に楽しめるようにそうしているんですってね。
テレビを凝視しなくても、耳でストーリーが把握できるようにと。
私の母も高齢でテンポの速いドラマは全然ついていけないから、のんびりと楽しめるドラマはやっぱり必要なんでしょう。
ともあれ、同じクールにドラマをぶつけるのはこれを最後にしてほしいわ。